2014年3月16日日曜日

十得ナイフを手放そう

「手放す」って、ただ、手を放すだけのこと。
手を放したら、二度とその手に掴めないわけではないし。
二度と、再び手にしてはいけないことでもないし。
必要なら、必要なときに、また持てばいいってだけのこと。

「手放せてない」ってことは。
いつもスタンバイして持っている状態。
必要でないときも。
いつか必要になるからと、ずっとそれを持っている状態。
それで手が塞がっている。


例えば、十得ナイフを手に持って握り締めているとします。
何かあったとき、万能に使えて便利ですよね。
はさみが必要なとき、ナイフが必要なとき、栓抜きが必要なとき、爪きりが必要なとき、何でもこの握り締めた十得ナイフが役に立ちます。

でも、所詮十得ナイフ。
料理をするときは、十得ナイフよりも包丁を使った方がいいですよね。
爪やすりも、専用の爪やすりの方が扱いやすくて手入れがし易いですよね。
草を刈るのも、草刈り用の鎌を使った方が、全然効率がよいはずです。




でも、握り締めていて手放さないと、包丁にも、爪やすりにも、鎌にも持ち替えられない。
握り締めている道具がもうあるので、他の道具に持ち替えるのも手間。
すぐ手元にない場合は探しにいかないといけなかったりしますし、もうあるものを使っちゃおう!って判断に陥り易い。
ちょっと使い難いけど、でも、もうすぐに使えるそれを使っちゃえばなんとか凌げるや、と。

そうして、十得ナイフで何でもこなそうとして、使い難さからトラブルや不都合を呼び込んでいたりするのかもしれない。


何かに対処する方法なんかも、同じこと。
例えば、「手伝って貰う」ための方法で「命令する」が握り締めた十得ナイフになっている人もいるでしょう。
「強要する」や「駄々を捏ねる」が十得ナイフになっている人もいるでしょう。
「必要そうにしていることを遠まわしに表現する」や「やらない相手を非難する」がそうな人も。

でも、別のやり方、道具も、沢山知っていますよね?
例えば「素直に直接的にお願いする」なんて方法もある。知ってましたよね?思い付けましたよね?
どの道具も、「いつでもこれが最善」なわけはなく。TPOに合わせて、最適な道具を選んだほうがいい。
同じ刃物でも、料理の時には包丁を、薪を集めるときは鉈を、爪を切るときは爪切りを、選んだほうが容易に楽に良い結果が出せる。
状況によっては、「命令する」が最も適している時もある。


だから、いつでも最適な方法を選ぶことができるように、まず、十得ナイフ的なものを握り締めているのをやめるってのは、ひとつの効率のよい方法。
いつも十得ナイフを握り締めていて、とっさに選ぶ道具が十得ナイフな毎日から脱しましょう。
というのが、「手放しましょう」ってことなのかも。

0 件のコメント:

コメントを投稿